なぜ“宅配クリーニング”だったのか

およりて宅配クリーニングでお客様担当をしております乾 光太郎と申します。
今日は私達の軌跡とおよりて宅配クリーニングをご利用いただいている、またはこれからご利用いただくお客様への思いをお話ししたいと思います。


私達は長野県飯田市界隈で20店舗ほどのクリーニングチェーンを運営している会社です。
私達の会社があります長野県の田舎では、高齢化や人口の減少でどんどんお客様との接点が減少していく現実があります。しかし、当社は元々、自分達のクリーニング技術や品質には大変自信を持っていましたので、私達の自慢のサービスで喜んでいただけるお客様が減っていくことは大変悲しいことでした。


その中で、2010年代に入り、スマホ全盛の時代が到来しました。IT革命は15年ほど前の出来事でしたが私はスマホの時代が来てようやく本格的なネット社会が実現したと思いました。それまではインターネットは家でパソコンを立ち上げてやるものでしたが、スマートフォンの普及でパソコンスキルの無い人でも気軽にインターネットに繋げるようになり、また、電車の中や外出先、または寝る前のベッドの中など場所や時間を問わずインターネットに接続することが可能となってきました。それによってネット人口が爆発的に増えたと感じたのです。
その頃から当社でも本格的にネットを使って日本全国のお客様に“およりて品質”のクリーニングを提供できないかという模索が始まりました。


当社がネット通販型の宅配クリーニングサービスの準備を開始したのは2010年の秋頃でした。
当時はまだ宅配クリーニングのネットショップを運営している会社はそれほどなかったと思います。しかし何社か先行して宅配クリーニングをやっていた会社がありましたので、そのサービスを研究し、まだ他社様がやっていないサービスで、当社に出来るであろう新しいサービスを模索していきました。

お客様を知るとは? “想像する”“声を拾う”


先行的に宅配クリーニングを行っている会社がすでに何社かありましたので当社は後発となります。当社独自のサービスを考案する中で、当たり前の事ですが、後発である以上、他社にはない魅力を備えなければお客様は振り返ってくれないわけです。
そこで、我々は単純な他社との比較ではなく、お客様がしてもらって嬉しいであろうサービスは何かという視点で考えていきました。 つまりお客様の気持ちを「想像」する「推し量る」ことからサービスを構築していこうとしたのです。
 
まず着ようと思った時に困る事。ジャケットやコートなどのボタンが今にも取れそう…これは困ると思います。では、今にも取れそうなボタンは無料で補強してあげよう。
 
 
そしてシミ抜きの徹底。激安が売りのクリーニング屋さんは点数を稼ぐことが命ですから、はっきり言って入念にシミ抜きをしている余裕はありません。今までのクリーニング屋さんでは簡単に「落ちません」と言われてしまい悲しい思いをしているお客様もたくさんいるだろうと思いました。だから、当社では、出来る限りシステムを効率化しお客様に喜んでいただけるよう丁寧にシミ抜きに向き合おう。
 
 
また、メールでの連絡を逐一行うこと。ネット通販型の宅配クリーニングは顔が見えない不安と遠く離れたクリーニング屋に品物を預ける不安が付きまといます。そこで、少しでもお客様との接点を増やす為、「注文時」「品物が当社に到着した時」「検品をした後」「仕上がり品を発送した時」 この4つの段階で必ずお客様にメールを送ろう。
 
 
上記のポイントはお客様に 「気配り」 「高品質」 「安心」  を提供するものだと思っています。
これらは私達がお客様の立場であるならば何をされたら嬉しいかということを想像して生み出していったサービスです。
 
 
そして、2011年2月におよりて宅配クリーニングはオープンしました。
その頃はまだネット通販型の宅配クリーニングというものが珍しかった為か最初の年度はお客様も少なく、また、私達側もネットでの商売が初めてだった為、対応が稚拙でありお客様にご迷惑をおかけすることも度々ありました。
そんな中で大変ありがたかったのは、お客様がご利用後の感想を伝えてくれたことです。
実店舗(リアル店舗)を運営しているとお客様にお声をいただくことはあまり無かったのですが、ネット経由でご利用いただいたお客様はわりと多くの方が気兼ねなく率直に感想を寄せてくださったのです。リアルの店舗では面と向かってお店の店員に言わなければいけないですが、ネットでは顔を合わせることなく文章で言いたいことを伝えることが出来る為、言いやすい環境と雰囲気があったのでしょう。
 
 
この声をひとつひとつ拾っていくと、自分達の想像だけでは見えてこなかった本当にお客様の求めているサービスというものが見えてきたのです。
 
 
一つは都会に在住のお客様で、衣類の収納スペースにお困りだというお声が多くありました。たしかに私も20代の頃は10年間東京で暮らしておりましたが、住んでいたアパートはクローゼットが大変狭かった記憶があります。しかし、私自身あまり衣類も物も持たない性質である為、たいして不便を感じていなかったのですが、女性の方や家族住まい等たくさん衣類をお持ちの方にとっては都会の住宅事情というのは大変、収納に関して不便であることにお客様のお声をいただいたことで気づいたのです。
 
 
そこで、衣類を保管できる専用の倉庫を契約し、クリーニング後に保管するというサービスを始めました。他の宅配クリーニング店様でも保管サービスをやっていらっしゃいますが、他社様に比べて当社の保管付きクリーニングは大変リーズナブルだと自負しております。これは長野県の地価が都会に比べて大変安いことに影響していると思います。当社が契約している保管庫と同じ坪数の倉庫を都会で借りる場合、おそらく30%~50%は高くなるのではないでしょうか。これは保管サービスを提供するうえでの田舎ならではの大きなアドバンテージでした。


二つ目は衣類を送る為の集荷バッグが小さくて点数分入らないという、お客様が続出しました。他の宅配クリーニングを調査したところ、他社様も当社が当初使用していたサイズと同程度のバッグを使っていただようですが、やはりバッグが小さいという意見が多いようでした。
そこで、当社は宅急便で対応できる最大サイズまで集荷バッグの大きさを拡張させました。そうすることによって、せっかく10点コースをご注文でも8点しか品物が入らなかったといったお客様をかなり減らすことができたと思っています。




お客様の満足に少しずつ近づいていくことで
フロンティアは開かれる 



当社は大手のクリーニング会社さんとは違い、地方の小さなクリーニング会社ですので、一気に設備投資をしたり、人員を増やすといったことが難しいのが現状です。
限られた予算の中で今ある設備と人材を使いお客様の増加や顧客満足度アップに対応していくしかないのが現状です。
よって、繁忙期には工場のキャパ以上に品物が集まってしまいクリーニング開始まで時間がかかったり、納期が遅れたり、メール連絡が遅滞したりします。こういったマイナス要因を嫌って離れて行ってしまうお客様もおそらくいらっしゃると思います。
そういった零細企業ならではのマイナス要因でお客様を失うのは大変つらいことではありますが、ただ、お客様にいただく声を大切にし、お客様の小さな満足を少しずつでも形にしていくことでお客様にお返しが出来るのではないかと考えています。また、キメ細かくお客様に対応できるのも小さな会社ならではの良さなのではないでしょうか。

はっきり言って私たちは小さな成長しか出来ません。
しかし確実に前に前進していく姿勢をお客様にはお見せ出来ると考えております。
これからもお客様には是非ご利用後の感想やご意見を活発にいただきたいと思っております。そしてそれに少しずつでも当社は応えていけるよう努力をして参ります。


宅配クリーニングの市場はこれからどんどんと増えていくと予想されます。
戦国時代に突入していくであろう市場の中で宅配クリーニングの業界が今後急速にレッドオーシャン化することも予想されます。


しかし当社は、お客様の声やニーズへ誠実に耳を傾けていくことで「独自の価値」を提供し、「ただ安ければいい」というクリーニングへの概念から脱し、お客様にとってオンリーワンの存在になれるよう努力してまいります。